薬剤
神経性耳鳴,難聴に対するアデラジッドの使用経験
渡部 泰夫
1
,
若原 英美子
1
1大阪大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.993-995
発行日 1969年12月20日
Published Date 1969/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207399
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I.はじめに
耳鳴,難聴を主訴として数多くの患者が耳鼻科をおとずれるが,その多くは長い通院の末,症状の改善されないままにあきらめるというのが現実であり,特効薬の誕生を期待されている。耳鳴,難聴に対するメゾイノシトール,ヘクサニコチネート,およびビタミンB6(塩酸ピリドキシン)の効用は良く知られている。前者は末梢血管拡張作用を有し,後者は脂質,アミノ酸代謝を円滑にして血管壁の抵抗力を増強する作用を有する。
今回,ゾンネボード製薬より提供されたアデラジッド錠は1錠にメゾイノシトール・ヘクサニコチネート,およびリン酸ピリドキサールカルシウムを同時に含有し,投与が容易であるので,耳鳴難聴を訴える患者に投与し,二,三の成績を得たので,その使用経験を報告する。
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