薬剤
感音系難聴,耳鳴に対するA. T. P. 腸溶錠の使用経験
藤原 邦也
1
,
安原 晧三
1
,
千葉 和夫
1
,
堀 典雄
1
1岡山大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.329-332
発行日 1967年3月20日
Published Date 1967/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203749
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Ⅰ.緒言
A. T. P.(Adenosine triphosphate)は,Lohmannらにより1929年,筋浸出物中より発見された。これは,その高エネルギー燐酸結合のゆえに,生体のエネルギー源として,生理学上極めて重要なものとされ,臨床的には,筋性,神経性,脊髄性筋疾患,脳血管,循環器系疾患などの各種疾患に用いられ,治療効果をあげている。
耳鼻科領域においては,1958年,Maggioが老人性難聴に試用し,また,本邦においても同年,河田が神経性難聴,メニエル氏病に用いている。その後,小出らにより,内耳の代謝機構が解明されるに従い,されに,多くの治験報告が見られるようになつた。
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