--------------------
顎下部に発生せる粉瘤及びKuttner氏腫瘍の1例
山田 文則
1
,
森田 博昭
1
1東京大学医学部付属病院分院
pp.732-734
発行日 1959年9月20日
Published Date 1959/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202318
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
粉瘤に関する諸家の報告に頭部,毛髪部,顔側面,頸部が過半数を占め,その他臀部,稀には肛門,前額洞,小陰唇,眼瞼,指等に発生した例であるが顎下部に発生せる例は極めて少い。一方Küttnerの腫瘍は非特異性炎症性機転による慢性炎症性唾液腺腫であり,その原因は尚不明であるが唾石によると考えられる場合が多く,就中,顎下腺に最も多く,稀に耳下腺にもみられている。本疾患に関する報告はKüttner(1896)以来今日迄50数例で比較的少い。
我々はこの比較的稀な2腫瘍が併発し,しかも粉瘤がKüttner氏腫瘍を招来したと考えられる症例を経験したので報告する。
Ohishi and associates report a case of tumor of submandibular region that showed a simultaneous occurrence of atheroma and Kiittner's tumor. Authors believe that the presence of the former affection to be the cause of occurrence of the latter.
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.