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ニコチン酸及びメプロバメート併用に依る神経性難聴の新療法
沖山 正明
1
1小倉鉄道診療所耳鼻咽喉科
pp.605-607
発行日 1958年7月20日
Published Date 1958/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202056
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1.緒言
各種工場,造船所,交通機関,抗内作業等に従事する従業員は強烈な騒音に長年月曝露され,難聴を惹起する。この事実は環境衛生学の発達に伴い近年種々の意味に於て注目され,職業病の一つとして各方面より研究される様になつて来た。而し乍ら近代科学の発達により騒音に曝露される従業員は増加し皮肉にも神経性難聴患者は増加して居る。重工業に於ける種々の工作機械は勿論,ジエツトエンジン並びに銃砲火器の進歩による発生音は従来の騒音を遙かに飛び越した強烈なものであり,文明の発達は人類が騒音に曝露される機会を益々多くして居るのが現状である。
従つて斯の如き騒音刺激に基因する難聴の治療に関しても諸先人の研究業蹟も少くない。即ちVitamin B1大量投与療法,頸部交感神経節X線照射療法,同ラジウム療法,Vitamin A注射療法,脳背髄液パンピング療法,Vitamin B1背髄腔内注入療法等々がそれである。
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