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イソニコチン酸ヒドラジツド
高部 益男
pp.48
発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201061
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I ニユース
2月末「結核の新藥イソニコチン酸ヒドラジツド(以下「ヒドラヂツド」という。)」について報道陣が色めき立つて米國からのニユースとして大々的にこれを取扱つた。一方關係者は,比較的冷靜にこのニユースに對處し,さらに米國内の專問家及び關係製藥業者からの連絡により,その報道が時期尚早のものであることを知るに及んで,じつくり腰を落着けてこれに對處する方針がたてられた。
しかしながら,患者關係者は,そう落つくわけには行かず,厚生省その他の關係機關に對する新藥關係の要請が殺到し,中には,動物實驗として自己の身體を提供する等の極端な者も現われた。厚生省としては,これを放置しておくのはいたずらに混亂を招きストレプトマイシンやテイビオンの紹介期に見たような無駄でもありある意味では有害でもあるような社會状勢を來すかも知れないと思われるに至つたので,至急,態度を決定することになつた。
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