Japanese
English
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メプロバメート(アトラキシン)の皮膚科的応用
SOME CLINICAL USE OF ATRAXIN ON SKIN DISEASES
安田 利顕
1
,
北郷 修
1
Toshiaki Yasuda
1
,
Osamu Hongo
1
1関東逓信病院皮膚科
1Department of Dermatology Kanto Teishin Hospital
pp.783-786
発行日 1958年7月1日
Published Date 1958/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202315
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掻痒は諸種皮膚疾患の自覚症状のうちで重要なものであるが,それが患者に与える苦痛はしばしば耐えられぬ程である。このため患者は不眠におちいり焦燥感を持ち,たえず掻破して病巣の悪化,拡大あるいは二次的細菌感染を惹起して治療の妨げとなりまたその経過を長引かす原因になつている。勿論掻痒性皮膚疾患の根本的療法はその原因を究明してそれを除くことが必要である。しかし実際問題として掻痒の原因は多種多様で個々の症例についてそれを明らかにすることは困難である。従つてその病因を明らかにすることができない場合が少くない。このため実際の臨床に於ては常に迅速且つ有効な掻痒の対症療法が求められてきたのである。最近,抗ヒスタミン剤コーチゾン系ステロイドホルモン等が広く用いられているのもこの目的に一歩前進した薬剤であるからである。
最近の止痒療法の一つとして中枢神経系統に作用してその働らきを抑制する諸種の薬剤が用いられている。この目的にレセルピンが使われているが,最近同じtran-quillizerとしての働らきをもつものとしてMeproba-mateが1950年Ludwig並にPiechによつて合成され広く精神的緊張および筋肉の緊張状態を緩解するために臨床的にも用いられ,精神,神経科領域において各種疾患に対する臨床成績が報告されている。
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