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緒論
吾々は先に副鼻腔への藥液置換法として改良Proetz法を発表した。改良Proetz法によると,慢性副鼻腔炎の患者に於て,単なるProetz法に比して藥液が篩骨洞に非常に良く入る。上顎洞にも良く入るが,然し場合により入らないことがあり,又上顎洞の自然口の位置から入る藥液の量もそう多くないことを認めた。特に粘度の高い液体ではさらに入り難い。
又改良Poetz法の研究途上,稀でにあるが膿汁が上顎洞を完全に満して空気が全く存在しない場合のあることに気がついた。この場合上顎洞の膿汁を自然口から,鼻腔に出す改良Proetz法前処置を行う前に,ある程度以上の空気を上顎洞に入れておく必要を認めた。この空気を入れるのに自然口から入れていた。併しどうせ空気を入れるなら,膿汁を全部空気と置き換え,次で藥液を入れれば良いわけで,ここにこの経自然口上顎洞藥液置換注入法を考え出したわけである。又この方法は上顎洞根治手術後に,自然口の部位から結締織内に再生して来る。
OSAWA treats maxillary sinusi tis by inser-ting through the natural ostium a specially devised maxillary canula; and the latter is then fixed in position by metal plates. Pus contents of the cavity is forced out by air wh-ich is followed by instillation of drugs for pr-oper displacement. Agents more viscid in nature for diagnostic purposes using X-rays may be introduced into the sinus cavity without the necessity of makintg use a trocar.
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