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頭部傾斜及び捻転の温度性眼震に及ぼす影響
高橋 忠敏
1
,
西田 耕三
1
1大阪市立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.275-279
発行日 1954年6月20日
Published Date 1954/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201141
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要約
頭部を傾斜或は捻転した時と,しない時の温度性眼震の性欣を比較した。被験者は丙耳機能検査を行つた患者54名で刺戟は5℃の冷水10ccを用いた。比較検討された歌態は次の如く,側臥位の場合と坐位で頭部を出来るだけ側傾した時。腹臥位の場合と坐位で頭部を出来るだけ前傾した時。背臥位の場合と坐位で頭部を出来るだけ後傾した時。正常坐位セ頭部を出来るだけ捻転した時としない時に就て,以上各群同一患者を観察した。その結果頭部を出来るだけ側傾してその上側耳に注水した場合は,側臥位時の上側耳に注水した場合に比べて眼震速度は遅くなるが振幅は逆に大きくなるのが見られ,亦正常坐位で頭部を出来るだけ捻転方向の側の耳の温度性眼震は捻転しない時に比べて眼震がやや微弱になるのが認められた。温度性第2相眼震は側臥位の上位耳と背臥位の時認め,頭部を傾斜した時はやや発現率が少ない。
本論文要旨は著者の一人高橋が第10回近畿耳鼻咽喉科学会で報告した。
恩師長谷川教授の御懇切なる御指導御校閲に深謝する。
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