特集 耳鼻咽喉科手術の危険度
鼻
上顎洞穿刺
河本 和友
1
1東北大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.727-729
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207349
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上顎洞穿刺の偶発症の報告記載によると症状軽度のものから重篤にして死の転帰を取るものまでが含まれており,広義には脳貧血,ヒステリー性てんかん発作,神経性恐怖,脳溢血,また狭義の穿刺と直接つながる眼瞼および頬部気腫,頬部,眼窩,頸部の膿瘍,黒内障,盲目,敗血症,敗血性天疱瘡,半身不随から死亡にいたる重篤な症例の報告までなされており,また器具の破損による針の気管支内,あるいは胃内誤飲も見られる。
而して,この死に至る原因をVagustodで説明せんとする報告もあるが,多くの諸家は空気栓塞による循環障害を主因として説明せんとしている。
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