論説
輓近の咽頭梅毒
小山 三郞
1
,
舘野 延貞
1
1大阪赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.56-59
発行日 1948年5月1日
Published Date 1948/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200055
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序言
戰爭に梅毒は附き物であつて、戰後に梅毒が蔓延増加することは歴史に照しても明らかである。殊に敗戰國日本に梅毒が激増するであろうことは想像に難くない。
昨年末連合軍總司令部の命令で梅毒患者の屆出義務を生ずるに到り、殊更に梅毒患者に注目するやうになつた爲でもあらうが、昨年は多數の梅毒患者に遭遇した。今年に入つてからも同患者は一向に減少しない樣だし、同業者から近時梅毒患者が増加したと謂ふのを再三聞くことは公衆衛生から言つて誠に憂慮すべき問題であり、強力且つ適切な豫防並に治療對策が望まれる。
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