病気のはなし
口腔咽頭梅毒
余田 敬子
1
1東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科
pp.318-323
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102787
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サマリー
梅毒は,口腔咽頭に変化が現れる代表的な性感染症である.口腔咽頭の梅毒は第1期または第2期の顕症梅毒として生じ,梅毒特有の病変を形成する.第1期では無痛性の初期硬結または硬性下疳として下口唇,扁桃,舌尖に生じる.第2期では口角炎や粘膜斑(乳白斑)が生じ,痛みや違和感を訴えることがある.診断には,梅毒トレポネーマを鏡検する直接法と梅毒血清反応があり,この双方の結果から総合的に診断する.治療はペニシリンが効果的で予後はよい.口腔咽頭梅毒は,性交渉を介して相手に感染させる可能性が高い病変であるため,早期の適切な診断治療が大切である.
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