Ⅰ綜説
實驗的白内障に關する輓近の新知見
神鳥 文雄
1
1米子醫大
pp.183-186
発行日 1949年5月15日
Published Date 1949/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200362
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古來より人口に膾炙されていて原因の確定しない普遍的な疾患に3つある.それは「トラコーマ」緑内障,白内障である.其の内「トラコーマ」は電子顯微鏡も發達したことであるから,必ず近い將來に解決されるであろうが,後2者は大山を望んで牛歩を進めているの感があるのは,誠に遺憾なことである.
白内障の研究は實驗的に惹起させて觀察することが行われている.古來よりの方法としてはナフタリンを經口的に投與していたが,最近ではレントゲン線を照射するか(日眼,44卷,6號,890頁,昭15.),ナフタリンと同樣に中毒性白内障の誘發物質としてタリウム(本多,日眼,47卷,2號,189頁,昭,18.),或はガラクトーゼ(落合,日眼,48卷,1號,16頁,昭,19.).を用いている.ガラクトーゼ白内障は1935年Mitchelによつて發見されたものである.
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