特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part3 症状別緩和ケアスキルBeyond PEACE
苦痛緩和のための鎮静
池永 昌之
1
1淀川キリスト教病院緩和医療内科・ホスピス
pp.148-153
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200387
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総論
緩和ケアでは、できるだけ最期のときまで患者の意識が清明に保たれた状態で、周りの人と十分にコミュニケーションが図れるように苦痛を緩和することが望まれる。しかし、終末期がん患者の臨死期には、標準的治療に反応しない耐え難い苦痛が出現することがあり、その際に患者の意識を保ったまま身体症状を緩和することは難しくなることが少なくない。
そのような臨床現場では、苦痛緩和のための鎮静が必要になる。本項では、『がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2018年度版』(以下、2018年版手引き)1を元に、臨床現場で活用できる苦痛緩和のための鎮静の知識について整理したい。
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