特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part3 症状別緩和ケアスキルBeyond PEACE
皮下投与法—皮下輸液と持続皮下注射
関本 剛
1
1ホームホスピス関本クリニック
pp.140-144
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200385
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総論
皮下輸液
輸液製剤は本来静脈に投与するものである。また、注射剤は薬液が直接適用される組織によって、皮内注射、皮下注射、静脈内注射、脊髄腔内注射などと呼び、「静脈内注射用」「筋肉注射用」など、本来その適用部位が指定されているものである。
しかし、静脈内に注射針やカテーテルを挿入することが困難な場合や、在宅医療や死亡直前における薬剤投与など、環境上それが好ましくない場合に、輸液製剤や静脈用注射剤を皮下投与することがある1。輸液を必要とする認知症患者に対して皮下輸液と静脈輸液を比較した結果、少なくとも48時間の輸液を行なった後の血清尿素窒素、クレアチニン値に差がなかったとする報告2や、脱水をきたしている長期療養患者に対して皮下輸液を行なった場合、88%の患者で全身状態の改善を認めたとする報告3もあり、皮下輸液は近年見直されている。
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