Japanese
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特集 肝区域と画像診断update
各論
画像からみた新しい肝の解剖学的理解と臨床応用
静脈ドレナージ域を考慮した新たな肝領域切除
Technique of anatomical liver resection guided by area of hepatic venous drainage
田中 邦哉
1
,
熊本 宜文
1
,
野尻 和典
1
,
森 隆太郎
1
,
武田 和永
1
,
遠藤 格
1
Kuniya TANAKA
1
,
Takafumi KUMAMOTO
1
,
Kazunori NOJIRI
1
,
Ryutaro MORI
1
,
Kazuhisa TAKEDA
1
,
Itaru ENDO
1
1横浜市立大学 消化器・肝移植外科
1Department of Gastroenterological Surgery,Yokohama City University Graduate School of Medicine
キーワード:
肝区域
,
静脈灌流域
,
肝切除
,
3D-CT
Keyword:
肝区域
,
静脈灌流域
,
肝切除
,
3D-CT
pp.435-443
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100426
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要旨
3D構築画像により流入血に基づいた肝の領域と肝静脈のドレナージ領域との相関を明らかにし,特に前区域に注目して,これらをfusionさせた肝領域切除の可能性を検討した.前区域門脈本幹より腹側に分枝する枝の領域を腹側前区域,背側分枝の領域を背側前区域枝と定義すると,約7割の頻度で腹側-背側前区域の境界と,右-中肝静脈の灌流域境界が一致した.右肝静脈あるいは中肝静脈灌流域切除は灌流域を考慮しない術式に比較し肝うっ血を回避することで,トランスアミナーゼを低値に維持することが可能であった.従来の門脈域に基づいた肝区域分類に,静脈ドレナージ領域の発想を取り入れ,これらをうまくfusionしていくことで安全かつ合理的な術式の臨床応用が可能になると考えられた.
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