発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005074445
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感染防御に重要な役割をもつ肝臓に侵襲を加える肝切除術では,感染予防対策は重要である.術前はCDCのガイドラインに示す危険因子(患者特性)を考慮し,栄養状態の改善,糖尿病のコントロール,禁煙,遠隔臓器感染のコントロール,術前入院期間の短縮などを行う.術中は,切離法(CUSAと滴下式バイポーラ電気メス)・阻血法(間欠的流入血遮断)を駆使した出血量の減少,壊死組織発生を予防するために静脈還流も考慮した系統的肝切除術の実施,リークテストによる胆汁漏の予防,閉鎖式ドレーンの使用,肝切離面を含めて吸収性合成糸の使用を徹底することである.術後は,予防的抗菌薬として第二世代セフェム(とくにFMOX)の術中から約2日間投与で十分と考えられた.また術後感染ハイリスク症例には早期経腸栄養が有用である
©Nankodo Co., Ltd., 2005