Japanese
English
特集 経過を追えた小膵癌―この所見に気をつけろ!
症例呈示
IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)における膵癌併発例の検討
Autoimmune pancreatitis associated with pancreatic cancer
窪田 賢輔
1
,
渡辺 誠太郎
1
,
細野 邦弘
1
,
加藤 真吾
1
,
島村 健
1
,
小林 規俊
1
,
中島 淳
1
Kensuke KUBOTA
1
,
Seitaro WATANABE
1
,
Kunihiro HOSONO
1
,
Shingo KATO
1
,
Takeshi SHIMAMURA
1
,
Noritoshi KOBAYASHI
1
,
Atsushi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学 消化器内科 胆膵グループ
1Division of Gastroenterology,Yokohama City University Hospital
キーワード:
IgG4関連硬化性胆管炎
,
自己免疫性膵炎
,
膵癌
Keyword:
IgG4関連硬化性胆管炎
,
自己免疫性膵炎
,
膵癌
pp.299-306
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100397
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要旨
IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)の膵癌併発の2例を提示した.〔症例1〕は72歳,男性.68歳時に肝門部胆管癌を疑われ,左葉切除術を施行された.その2年後,閉塞性黄疸が再発した.切除標本の検討からIgG4-SCと診断された.ステロイド維持療法中に膵頭部癌を併発したが,既に進行癌であった.〔症例2〕は61歳時に黄疸で発症し,維持療法(5mg/day)を2年間行った.66歳時に黄疸が再発し,ステロイド治療で寛解したが,その1年後,肝転移を伴う進行膵尾部癌が発見された.AIPに併発する膵癌は同時性,異時性で認められる.前者はby chanceであるが,後者ではAIPの急性,慢性炎症,ステロイド投与などが発癌に関与している可能性もある.AIPにおける膵癌併発は報告例をみると,ステロイド治療による寛解後,3~5年の経過に膵体尾部に比較的多く発症していた.
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