特集 いまさら聞けない! 肝胆膵疾患—みなさんのギモンに答えます
胆道系疾患
原発性硬化性胆管炎とIgG4関連胆管炎の鑑別
岡崎 和一
1
,
池浦 司
2
,
高岡 亮
2
1関西医科大学香里病院
2関西医科大学内科学第三講座
キーワード:
原発性硬化性胆管炎
,
PSC
,
IgG4関連疾患
,
IgG4-RD
,
IgG4関連硬化性胆管炎
,
IgG4-SC
Keyword:
原発性硬化性胆管炎
,
PSC
,
IgG4関連疾患
,
IgG4-RD
,
IgG4関連硬化性胆管炎
,
IgG4-SC
pp.478-484
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227481
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硬化性胆管炎(sclerosing cholangitis:SC)は,胆管に炎症による硬化性変化を起こす疾患の総称である.原因不明ではあるが肝内外胆管の慢性炎症と線維化による胆管狭窄により閉塞性黄疸をきたす1次性SCと,種々の原因で引き起こされる2次性SCに分類される(表1).
前者には,従来,原発性硬化性胆管炎1)(primary sclerosing cholangitis:PSC)が分類されてきたが,近年,新しい疾患として認められつつあるIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-related sclerosing cholangitis:IgG4-SC)もこの範疇に入る.後者には,後天性免疫不全症候群(AIDS)の胆管障害,胆管悪性腫瘍(PSC診断後および早期癌は例外),胆道の手術や外傷,総胆管結石,先天性胆道異常,腐食性硬化性胆管炎,胆管の虚血性狭窄,floxuridine動注などによる胆管障害や狭窄がある.
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