特集 消化器内科医のためのIgG4関連疾患
5.IgG4関連硬化性胆管炎(1)疫学
清水 晃典
1
,
田妻 進
1
1JA尾道総合病院消化器内科
キーワード:
硬化性胆管炎
,
自己免疫性膵炎
Keyword:
硬化性胆管炎
,
自己免疫性膵炎
pp.635-638
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001790
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)はIgG4関連疾患の胆道系における病態であり,本邦における10万人当りの有病率・罹患率はそれぞれ2.0人,0.6人,患者総数は2,500人強と推定される.好発年齢は60歳代,男性優位の疾患である.診断時有症状例では黄疸(35%)が最も多いが,無症状例も全体の28%を占めている.診断時血清ALP値が基準値上限の2倍以上の症例が全体の55%であったが,基準値範囲内の症例も21%存在し,血清ALP値が高くない症例でもIgG4-SCと診断されている.血清IgG4値も基準値範囲内であった症例が16%に認められた.診断時胆道造影では中沢分類によるType 1が最も多く(64%),診断時の合併症としては自己免疫性膵炎(AIP)が全体の87%であった.
Copyright © 2021, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.