講座
知っていると役に立つ超音波のサインと用語
徳野 恵津子
1
,
平井 都始子
1
1奈良医科大学腫瘍放射線科
pp.614-615
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900458
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Pseudo-Kidney Sign
消化管壁とその内容などによって構成される腎の超音波像と似た低エコー腫瘤像で,中心部が高エコーを示すもの,と定義されている1).全周性に肥厚した消化管の壁は低エコーの腫瘤を形成し,その中心部に粘膜および消化管内容物やガスが高エコーとして描出され,腎臓のエコー像とよく似た像を呈する(図1).断層面をしばらく観察していると,重心部のエコー内で,消化管内のガスや内容物が動く様子がリアルタイムに観察できる.
Pseudo-kidney signは消化管の進行癌でみられることが多いが,消化管の異常な壁肥厚があれば認められるため,悪性リンパ腫や炎症性腸疾患,憩室炎や虚血性腸炎などでも観察される.
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