講座
知っていると役に立つ超音波のサインと用語
森 秀明
1
,
山根 隆明
2
,
一二三 倫郎
3
1杏林大学第3内科
2熊本赤十字病院外科
3熊本赤十字病院消化器科
pp.746-747
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900478
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Pseudo Parallel Channel Sign
アルコール性肝炎では肝動脈枝の拡張を伴うことが多い.この拡張した肝動脈枝と肝内門脈枝が併走して描出される所見が,あたかも閉塞性黄疸でみられる拡張した肝内胆管と門脈によるparallel channei signのようにみえるためpseudo parallel channel signと呼ばれている(図1).この所見は超音波上,肝左葉外側区に認められることが多く,可逆的であり,病状の改善とともに消退がみられる.拡張した肝内胆管との鑑別にはパルスドプラ法によるFFT解析を用いて動脈血流である拍動流を検出することが有用である(図2).
本所見と鑑別を要すものとしては閉塞性黄疸による肝内胆管の拡張(parallel channel sign),Rendu-Osler-Weber病による肝内動静脈シャントに伴う肝動脈枝の拡張が挙げられる.また下右肝静脈が肝内門脈右後下枝と併走する所見もpseudoparallel channel signと呼ばれており,健常者の約10%で認められる.
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