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症例報告 大阪肝穿刺生検治療研究会推薦論文
好酸球増多を伴ったブタ回虫症による多発性肝腫瘤性病変の1例
A Case of Multiple Liver Lesions With Eosinophillia Due to Ascaris Suum Infection
前川 陽子
1
,
金 守良
2
,
井本 勉
2
,
佐々木 一憲
2
,
安藤 健治
2
,
福田 勝美
2
,
中嶋 泰典
2
,
三田 敬二
1
,
小寺沢 俊洋
1
,
具 光成
1
1神戸朝日病院外科
2神戸朝日病院消化器科
キーワード:
好酸球増多
,
多発性肝腫瘤
,
ブタ回虫症
,
幼虫移行症
Keyword:
好酸球増多
,
多発性肝腫瘤
,
ブタ回虫症
,
幼虫移行症
pp.605-608
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900456
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患者は34歳,男性.好酸球増多を指摘され当院受診.USにて肝に多発する腫瘤性病変を認めた,同病変は単純CTでは低吸収域、MRIではT1強調にて低,T2強調にて高信号を呈し,CTAで造影され,経動脈性門脈造影下CT (CTAP)ではperfusion defectを呈した.生検組織では,門脈域やsinusoidに著明に浸潤する好酸球と壊死組織がみられた.患者にはウシの生レバーの食習慣があり,免疫血清学的にブタ回虫抗体が強陽性で,ブタ回虫症と診断した.アルベンダゾールの内服にて肝の腫瘤は消失した.このように好酸球増多を伴った多発性肝腫瘤性病変をみた場合,幼虫移行症も鑑別診断の1つとして診断にあたることが必要である.
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