Japanese
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特集 進行膵癌への挑戦
病理からみた膵癌予後良好因子
Histopathological Characteristics of the Pancreatic Cancer With Good Prognosis
佐々木 恵子
1
,
柳澤 昭夫
2
Keiko SASAKI
1
,
Akio YANAGISAWA
2
1(財)癌研究会癌研究所病理部
2京都府立医科大学大学院医学研究科計量診断病理学
1Department of Pathology,Japanese Foundation for Cancer Research
2Department of Surgical Pathology,Kyoto Prefectural University Graduate School of Medicine
キーワード:
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
,
小膵癌
Keyword:
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
,
小膵癌
pp.611-616
発行日 2005年9月15日
Published Date 2005/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100055
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要旨 1983~2001年の19年間に当院で切除された膵腫瘍のうち,膵管内乳頭腺腫(IPMA),粘液性囊胞腺腫(MCA),漿液性囊胞腫瘍,腺房細胞腫瘍,膵内分泌腫瘍を除く172例(通常型浸潤性膵管癌145例,膵管内乳頭腺癌(IPMC)と膵管内腫瘍由来の浸潤癌(Invasive carcinoma derived from intraductal neoplasm),粘液性囊胞腺癌(MCC)と浸潤性粘液性囊胞腺癌(Invasive mucinous cystadenocarcinoma)の27例を,定義にそって標本を見直し,こららの予後,病理学的な比較を行うことで,予後良好因子について検討した.IPMCの予後良好因子は,リンパ節転移陰性であり,浸潤はあっても微小浸潤に留まるものであった.さらに膵管内腫瘍由来の浸潤癌では浸潤の仕方が限局性のものでは良好な予後が期待できると思われた.MCCの予後良好因は浸潤の程度が重要であり,微小浸潤に留まるものであった.通常型浸潤性膵管癌の予後良好因子は腫瘍の膵管走行方向に直行する長さが20 mm以下,リンパ節転移がなく,腫瘍の浸潤が膵実質内に留まるか,十二指腸方向に浸潤するものであった.
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