Japanese
English
特集 SPNのすべて―典型例から非典型例まで
SPNの病理
Pathology of solid-pseudopapillary neoplasm
柳澤 昭夫
1
,
安川 覚
1
,
佐々木 恵子
2
Akio YANAGISAWA
1
,
Satoshi YASUKAWA
1
,
Keiko SASAKI
2
1京都府立医科大学大学院 人体病理
2静岡県立静岡がんセンター 病理
1Department of Pathology,Kyoto Prefectural University of Medicine,Kyoto
2Department of Pathology,Shizuoka Cancer Center,Shizuoka
キーワード:
SPN
,
SPNの病理
,
悪性SPN
Keyword:
SPN
,
SPNの病理
,
悪性SPN
pp.373-379
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100169
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要旨
SPNは比較的若い女性に好発する腫瘍で,膵非内分泌系腫瘍の1~2%である.症例の増加とともにその腫瘍の性格が明らかになってきたが,現時点では腫瘍の分化方向不明な上皮性腫瘍として扱われている.肉眼的特徴は球型で膵外に膨隆性発育を示し,充実性腫瘍域と出血壊死部が混合して認められることである.組織学的特徴は小型円形核をもつ好酸性細胞の硝子様間質を伴う小・毛細血管を中心とした充実性増殖であるが,組織形態は腫瘍細胞間の接着が弱いため,偽乳頭状配列や偽花冠状配列を示す.腫瘍細胞の核にはβ-cateninの染色異常が認められる.良性悪性鑑別は組織学的には難しく,遠隔転移の有無が指標となる.
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