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特集 進行膵癌への挑戦
序/難敵進行膵癌への挑戦
Challenging for Pancreatic Cancer
真口 宏介
1
Hiroyuki MAGUCHI
1
1手稲渓仁会病院消化器病センター
1Center for Gastroenterology,Teine-Keijinkai Hospital
キーワード:
膵癌
,
外科手術
,
集学的治療
Keyword:
膵癌
,
外科手術
,
集学的治療
pp.609-610
発行日 2005年9月15日
Published Date 2005/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100054
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はじめに
膵癌の多くは病理学的には管状腺癌を中心とした浸潤性膵管癌であり1),通常型膵(管)癌と呼ばれる.日本膵臓学会膵癌登録の20年間(1981~2002年)の総括2)では,通常型膵癌の5年生存率は9.7%であり1割に満たない.切除率は2000年には42.6%と上昇しているとあるが,一般病院を含めた全体では,それに比べはるかに少なく20%未満と推測される.さらに,「膵癌取扱い規約」には今なお早期癌の定義がない.言うまでもなく,21世紀を迎えた現在,最も難敵の悪性腫瘍である.
治療成績の向上には,2つの柱が不可欠である.1つは早期診断法の確立であり,もう1つは有効な治療法の確立である.診断については,新しい診断機器や手技の開発・向上が試みられているが,画期的な早期診断アルゴリズムの構築には至っていない.せめてハイリスクグループの設定が出来ればと種々の研究も行われてきているが3),今しばらく時間を要しそうである.では,治療についてはどうであるか? これが本特集号のメインテーマである.
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