Japanese
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特集 粘液産生胆管腫瘍―その疾患概念は?
粘液産生腫瘍―胆管と膵は同じか? 胆管内乳頭粘液性腫瘍は新しい疾患概念か
Mucinous Producing Tumor―Are the Biliary Tumor and the Pancreatic Tumor the Same―Is the Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm of the Bile Duct the New Entity?
安川 覚
1
,
加藤 元一
2
,
柳澤 昭夫
1
Satoru YASUKAWA
1
,
Gen-ichi KATOH
2
,
Akio YANAGISAWA
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科人体病理学
2京都第一赤十字病院 検査部病理
1Department of Surgical Pathology,Kyoto Prefectural University Graduate School of Medicine,Kyoto
2Department of Pathology,Kyoto First Red Cross Hospital,Kyoto
キーワード:
粘液産生腫瘍
,
粘液産生胆管腫瘍
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
胆管内乳頭粘液性腫瘍
,
IPMN
Keyword:
粘液産生腫瘍
,
粘液産生胆管腫瘍
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
胆管内乳頭粘液性腫瘍
,
IPMN
pp.250-253
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100579
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要旨 粘液産生腫瘍は,病理総論的に“腫瘍細胞に粘液産生能があり,細胞外に大量の粘液の貯溜をきたした腫瘍”である.膵におけるこの概念に含まれる腫瘍のうち胆管腫瘍の類似腫瘍として問題となるのは膵管内乳頭粘液性腫瘍である(膵IPMN).膵IPMNの定義を胆管の類似腫瘍に当てはめるとすれば,“粘液貯溜による胆管拡張を特徴とする胆管上皮腫瘍”となり,その呼称は胆管内乳頭粘液性腫瘍(胆IPMN)となる.胆IPMNが疾患概念として確立されるための重要な点は,膵IPMNとどこまで類似しているかではなく,さまざまな臨床病理学的な所見を比較検討し,胆IPMNが従来の疾患と異なっていることを明らかにすることである.今後,定義をより明確にし,この腫瘍が新しい疾患概念として確立されることが望まれる.
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