Japanese
English
特集 IPMT由来浸潤癌と通常型膵管癌の違い
膵管内乳頭粘液性腫瘍由来の浸潤性腫瘍
Definition of “Invasive Carcinoma Derived from Intraductal Papillary Adenocarcinoma”
柳澤 昭夫
1,2
Akio YANAGISAWA
1,2
1京都府立医科大学大学院医学研究科計量診断病理学
2(財)癌研究会癌研究所病理部
1Department of Surgical Pathology,Kyoto Prefectural University Graduate School of Medicine
キーワード:
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
浸潤性膵管癌
,
IPMTs由来の浸潤癌
Keyword:
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
浸潤性膵管癌
,
IPMTs由来の浸潤癌
pp.17-22
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100365
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
要旨 “膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMTs)由来の浸潤癌”の診断基準は,①病理組織学的に浸潤部分を取り除いた場合,IPMTsとして矛盾がないこと,②病理組織学的に膵管内非浸潤癌部と浸潤部との連続性がある,あるいは連続性があるとしても矛盾がないことである.しかし,IPMTsの疾患概念そのものの診断基準が変化したことにより,“IPMTs由来の浸潤癌”にさまざまな病変が含まれるようになった.“IPMTs由来の浸潤癌”として独立した組織型の必要性は この浸潤性腫瘍の予後が真に良いか悪いか,その生物学的悪性度を明らかにすることである.したがって,現時点では“IPMTs由来の浸潤癌”の扱い方はIPMTsを形成している上皮,肉眼的に確認出来る明らかな膵管内乳頭性病変を有する型:P型と,肉眼的に膵管内乳頭性病変を確認出来ない平坦や低乳頭性病変からなる型:non-P型と亜分類し,扱うことが好ましいと考える.今後,IPMTsの定義を再検討し明確にすることにより,おのずから“IPMTs由来の浸潤癌”の性状も明解になるといえる.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.