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あとがき/読者アンケート用紙
酒井 邦嘉
pp.200
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200376
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私は沢山の筆記具を持っている。ところが最近まで,ボールペンのインクの格段の進歩を知らずに,限られたメーカーの製品を使い続けていた。ボールペンにありがちな欠点は,既に克服されていたのだ。例えば,普通のボールペンは逆さまにするとインクが出にくくなるが,フィッシャーの「スペースペン」はリフィル(替え芯)に窒素ガスが封入されていて,ペンをどんな向きにしても滑らかに書くことができる。さすが宇宙の無重力状態で使えるボールペンだ。
ボールペンは水性と油性とに大別される。水性ボールペンは「ローラーボール」と呼ばれ,乾燥防止のキャップを持つ製品が多い。長所は書き味が滑らかであること,短所は書いたものが乾きにくく水濡れに弱いことである。他方,油性ボールペンは書いたものが乾きやすく水濡れに強い反面,書き味が堅く,特に書き出しでかすれやすい。水性と油性では,そもそもリフィルの規格サイズが違うため,両用できるペンは少ない。しかしこの「水と油」のジレンマもまた,解消された製品が出ている。
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