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あとがき
水澤 英洋
pp.1394
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100390
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今回の特集は『脳卒中と遺伝子』である。東京女子医科大学の内山教授が中心となって企画され,17編の力作と総説の「未破裂動脈瘤の自然歴」とを併せて18編の一大特集が誕生した。その内容の概略は内山教授の「特集にあたって」を参照いただきたい。
脳卒中は単一臓器の疾患としては圧倒的に死因の第1位を占める国民病である。すべてのガン,すべての心疾患と比較しても第3位となり,その克服は国家的課題であると言ってもよい。また,急性期治療の進歩により一命は取り留めても片麻痺,失語症といったさまざまな機能障害を残すことが多く,disabilityの側面からはより多くの患者が苦しんでいることがわかる。さらに「脳卒中」には,いわゆる血管性認知症,血管性パーキンソニズム,血管性うつ状態などの,緩徐に進行する病態は含まれていないことを考えると,脳血管障害による生命,日常生活の活動度,生活の質への脅威はまさに甚大である。
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