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あとがき
梶 龍兒
pp.650
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100091
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鴨長明(1153~1216)は方丈記のなかで人生を鴨川の流れに例えて,次のように書いている。「行く川のながれは絶えずして,しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかた(注:泡のこと)は,かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと,またかくの如し。」
川にできてはまた消える,泡のような存在が人であるとすると,人を理解するにはその上流,つまり過去を見なくてはいけない。このようなこともあって私は,研修医の教育の場で「職歴」も病歴のうちということを口癖のようにいっている。
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