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あとがき
梶 龍兒
pp.590
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100286
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痛みを主訴とする患者は全診療科を合わせてみても最も多い。筆者も一昨日から歯痛があり,歯科を受診すると,歯槽膿漏の始まりと診断されがっかりした。しかしこの痛みがなければ,さらに手遅れになっていたという。
痛みは生体にとって危険信号を発する重要な感覚である。しかし,片頭痛など慢性疼痛に代表されるような難治性で,しかもQOL(クオリティーオブライフ)を著しく低下させる病態も多い。しかし,これらの患者さんの訴えは,しばしば「心因性」の要素を帯びていることもあり,筆者も含めて,臨床の場では敬遠しがちであるように思える。痛みの治療といえば,すぐに消炎鎮痛剤を思い浮かべるが,実際痛みの治療は,それだけでは完結しない場合が多くみられる。
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