当直医読本
救急で癌患者を診るときの注意―常に治癒可能な癌関連合併症はないかと疑う
仲本 昌一
1
Masakazu Nakamoto
1
1沖縄県立中部病院救命救急センター
pp.420-421
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900436
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トピックス 近年,救急で癌患者を診る機会は多くなってきている.その際患者が治癒可能な合併を起こして来ているのか,癌の末期像を呈して来ているのか判断に窮することがある.主治医に聞けば簡単に解決することもあるが,それでも難しいことがしばしばある.その場合は,治癒可能な合併症(→1)はないか考えながら積極的に治療,機能予後の向上をはかるべきである.
今回は,悪性腫瘍の神経学的合併症の中で最も多い転移性硬膜外腫瘍による脊髄圧迫の症例を取り上げる.本合併症は放置すれば不可逆的な神経学的損傷をもたらし,機能的予後を著しく損なう.四肢の機能障害を最小限に食い止めるには早期診断・早期治療が不可欠である.
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