今月の臨床 子宮体癌—理解のためのQ&A 33
発生要因
4.体癌にかからないようにすることは可能か
小畑 孝四郎
1
,
井上 芳樹
1
,
野田 起一郎
1
Koshiro Obata
1
1近畿大学医学部産婦人科
pp.268-270
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904897
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近年,本邦においても体癌の増加傾向が指摘され,子宮癌全体に占める頻度は1960年には3%であったものが,最近では15%前後に増加していると報告されている。しかしながら,体癌の発生過程は未だ明らかにされておらず,現時点では確実に体癌にかからないようにすることは不可能と言わざるを得ない。ただ,子宮体癌は他臓器の悪性腫瘍と異なり,従来から種々の体質的,内分泌的な臨床上の特徴を有する腫瘍であることが指摘されている。すなわち,閉経後の婦人に好発すること,未妊・未産・不妊・肥満・糖尿病・高血圧を伴うことが多いなどの特徴を有するという指摘である。ここでは,これら子宮体癌のHigh Risk Factorについて述べ,さらに,子宮体癌の前段階病変と考えられている子宮内膜増殖症の発見・管理およびその治療が,子宮体癌の予防につながると考えられるので,このことについても簡単に述べたい。
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