みるトレ
Case 73
忽那 賢志
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
pp.951-953
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200025
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Case 73
患者:50代,女性.
主訴:発熱,皮疹.
病歴:昨夜から熱っぽさを自覚していたが自宅で様子をみていた.今朝になって下肢の激痛と斑状の紫斑が出現したため近医Aを受診し,総合感冒薬と解熱薬を処方された.解熱薬を内服し一時的に解熱したが,紫斑は上肢にも出現し全身倦怠感が強くなってきたため救急車を要請し,B病院に搬送された.B病院搬送時,収縮期血圧は50mmHg台,体温35.0℃,四肢冷汗を認め敗血症性ショックが疑われたため,精査加療目的で紹介受診となった.
ROS(+):全身倦怠感,下肢筋肉痛,両膝関節痛.
ROS(-):嘔気・嘔吐,下痢,咳・痰,咽頭痛,排尿時違和感,胸痛,腹痛.
既往歴:交通外傷のため脾臓摘出術(40代).
生活歴:野山の散策などしておらず,ダニの曝露なし.
身体所見:体温35.3℃,脈拍120回/分,血圧72/40mmHg,呼吸数23回/分,SpO2 92%(酸素2l下).GCS 13(E3 V4 M6),項部硬直なし,その他の髄膜刺激症状も陰性.呼吸音:ラ音なし,心雑音なし.下肢を中心に全身に斑状の紫斑を認める(図1),痂皮なし.
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