みるトレ
Case 53
忽那 賢志
1
1国立国際医療研究センター感染症内科・国際感染症センター
pp.257-258
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103149
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Case 53
患者:50歳,男性.
主訴:発熱,右前腕・両下腿の紅斑.
病歴:Ewing肉腫に対して化学療法を施行中であった.
73日前から化学療法としてVCD-IE(VCD:ビンデシン,アドリアマイシン,シクロホスファミド,IE:イホスファミド,エトポシド)療法を開始した.
30日前:VCD-IE 3コース目を開始した.
23日前:右前腕および体幹に紅斑が出現した.
20日前:37.5℃の発熱が出現.その後数日で自然に解熱し紅斑も消退した.
10日前:VCD-IE 4コース目を開始.
8日前:右前腕,両下腿前面に圧痛を伴う紅斑が出現した.
6日前:39℃台の発熱が出現したため血液培養を採取されセフェピムが開始された.その後,数日で自然に解熱し紅斑も消退した.
当日:血液培養が陽性となり感染症内科にコンサルトとなった.
既往歴:特記事項なし.
身体所見:コンサルト時の血圧122/80mmHg,脈拍数74回/分,呼吸数18回/分,SpO2 100%(室内気),体温36.2℃.その他,身体所見に特に異常を認めなかった.診察時,すでに紅斑は消失しており解熱していた.
8日前にみられた左下腿の紅斑(図1)および血液培養のグラム染色写真(図2)を示す.
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