みるトレ
Case 65
忽那 賢志
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
pp.761-762
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103313
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Case 65
患者:60代,男性.
主訴:開口障害.
病歴:来院9日前,庭を手入れしている際に木の枝が右手甲に刺さったが放置していた.来院3日前頃から肩こりがひどくなったと周囲に漏らしていた.来院前日の朝から首のまわりが痛く,口が開けにくくなり,物が食べられなくなった.来院当日の起床時より首・肩の痛みが増強し首を後ろにのけぞるような姿勢を取るようになった.また開口障害も強くなり,飲水もできない状態となったため,家族が心配になって救急車を要請し,救急外来に搬送された.
既往歴:高血圧,脂質異常症のため近医通院中.
ワクチン接種歴:不明.
身体所見:体温37.3℃,脈拍120回/分,血圧168/96mmHg,呼吸数20回/分,SpO2 97%(室内気).意識清明(こちらの問いかけは理解できているがうまく呂律が回らない).体を後ろにのけぞるような姿勢で硬直しており,痛み刺激で硬直が増強する.開口障害あり,半横指のみ開口可能(図1).項部硬直あり.全身の深部腱反射が亢進しているが,感覚障害は認めない.右手甲に外傷の瘢痕と思われる表皮剝離あり(図2).その他,身体所見に異常なし.
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