特集 痛みで困ったとき
One more JIM
pp.1015
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102371
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- 文献概要
Q1 検査値や画像で異常が全くないのに,持続的な強い痛みを訴える患者に対して日常診療でどのように対応したらよいでしょうか?
A1 検査項目で異常がなくても,痛みを訴えつづける慢性痛の患者は珍しくない.複数施設で異常なしと言われ,それでも痛みが続くために,さらに別の施設へと,ドクターショッピングを続けることが多い.この状況に終止符を打つためには,以下の点を心得ておくべきである.
①患者の痛みの訴えを,先入観なく受け止め傾聴する.“私はあなたを本気で理解しようとしている”という姿勢を患者に伝えることができて初めて治療関係(ラポール)が形成される.
②痛み関連の情報をできる限り詳細に聞く.とくに,痛みの改善因子をみつけることが有効で,具体的にどうすれば痛みが楽になるか,患者と一緒に探す作業を行う.
③痛みの専門家に相談し,専門的治療を試す(神経ブロック,リハビリテーション,代替療法など).
④患者自身が日常生活での痛みへの対処を身に付けられるよう援助する.
(関根龍一→p972)
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