特集 気絶するほど悩ましい―危険な失神の見分け方
One more JIM
pp.53-54
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103088
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Q:失神診療の基本を教えてください.
A:失神は一過性意識障害である.したがって,来院時に意識は回復している.すなわち,来院時に失神の原因となった病態は消失していることが原則である.このため,失神の原因の診断は困難を極める.とはいえ,器質的疾患の鑑別,とりわけ心疾患の有無を診断しなければならない.ここに失神診療のジレンマがある.目の前の患者の診断が容易であれば,確実な診断を行えばよいが,診断が困難な場合には,リスク層別化を行う.リスクが低いと判断すれば,心疾患等の器質的疾患の否定に向けた診断方針や,安全に患者を帰宅させる方針を構築する.また,リスクが高い場合には,専門医へのコンサルテーションを含め,さらなる検査方針と確定診断に向けたアプローチを行う.このリスク層別化の第一段階は,病歴,身体所見,および12誘導心電図が用いられている.
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