特集 コモンディジーズとしてのうつ病
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菊池 美紀
,
上村 拓治
,
高橋 祥友
,
島田 秀穂
,
内藤 宏
,
野村 総一郎
,
尾鷲 登志美
,
水島 広子
,
大山 博史
,
坂元 薫
,
前林 佳朗
,
中尾 睦宏
pp.842-844
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903345
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Q1 うつ病について,外来治療が可能かど うかの判断基準を教えてください.
A 「重症度」と「十分な休養がとれるか否か」があげられる.外来治療が可能なのは当然軽症うつ病となる.うつ病の重症度という場合,「国際疾病分類第10改訂版の研究用診断基準」であるICD-10/DCRでは,大項目のうちの2症状と中項目のうちの2症状が2週間以上続くとしており,中等症および重症になるにつれ,症状の陽性項目数は増えていく.また,重症度を判定する評価尺度として臨床医用に作成された「ハミルトンうつ病評価尺度」も有用である.十分な休養がとれるか否かということに関しては,家族や周囲の理解,協力が必要である.仕事や家事の軽減が期待できるようであれば,外来治療だけでやれる場合も少なくない.抑うつ感自体は軽度でも,希死念慮があったり,実際に企図を行った場合には外来治療は困難である.他にも本人,家族の希望や経済的な問題などを考慮して,外来か入院かの判断を行う.
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