特集 EBMアップデート
総論
医療を数値で評価する―その歴史とEBMの潮流
福井 次矢
1
1聖路加国際病院
キーワード:
EBM
,
エビデンス
,
Quality Indicator
Keyword:
EBM
,
エビデンス
,
Quality Indicator
pp.548-551
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102227
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現在の医療現場では,罹病率や死亡率など人の集団を対象にした頻度だけでなく,一人ひとりの患者についてさえ,鑑別診断で考慮する病気の存在する可能性(確率),治療の奏功する確率や副作用が発現する確率など,数値を用いて考える場面が多い.そして,そのような定量的な考え方をすることが,より理に適った医療の提供につながると考えられている.
ランダム化比較試験やコホート研究,症例対照研究など,質の高いエビデンスを提供する臨床研究デザインは数値を用いた(統計学的)比較検討を前提としていて,そのような診療行為の評価なくして,Evidence-based Medicine(EBM)の実践はありえない.それでは,一体いつ頃からこのような数値を用いた医療評価が行われるようになり,診療現場での思考過程がそのようになってきたのであろうか.
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