特集 EBMアップデート
各論
EBMとQuality Indicator
嶋田 元
1
1聖路加国際病院 医療情報センター/消化器・一般外科
キーワード:
医療の質
,
Quality Indicator
,
臨床指標
,
質改善
Keyword:
医療の質
,
Quality Indicator
,
臨床指標
,
質改善
pp.568-570
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102234
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医療の質
質といわれてもそのとらえ方はさまざまである.広辞苑では「生まれつき,天性,内容,中身…」,ISO9000シリーズでは「本来備わっている特性の集まりが要求事項を満たす程度」など,背景によって意味合いや定義は変化する.医療の質も同様にさまざまな解釈があるが,高い低いといった比較を行う場合一定の定義が必要となる.
最も多く引用されている医療の質の定義は「医療の質は“個人や集団を対象に行われる医療が,望ましい健康アウトカムをもたらす可能性をどれだけ高くするのか,その時々の専門知識にどれだけ合致しているのか,それらの度合い”」である1).“望ましい健康アウトカムをもたらす可能性を高くする医療”かつ“その時々の専門知識に合致した医療”とは,根拠に基づいた医療,すなわちEvidence-based Medicine(EBM)であり,“個人や集団を対象に行われる医療”は「日常診療」と読み替えることが可能である.つまり「根拠に基づいた医療(EBM)」と「日常診療(Clinical Practice)」が合致している度合いすなわちEvidence-Practice Gapが小さいことが質の高い医療といえる(図1).
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