Japanese
English
特集 リハビリテーション医学におけるEBM―治療効果の検討
EBMの実践―脊髄損傷のリハビリテーションを例に
A practice of the evidence-based medicine in rehabilitation of spinal cord injury.
塚本 芳久
1
Yoshihisa Tsukamoto
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School
キーワード:
脊髄損傷
,
EBM
,
エビデンス
,
急性期
,
歩行訓練
Keyword:
脊髄損傷
,
EBM
,
エビデンス
,
急性期
,
歩行訓練
pp.917-921
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109596
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Evidence-based medicine(EBM)とは,個々の患者の治療についての意志決定において,現在ある最良のエビデンスを理解したうえで慎重に用いることである.臨床的な診断・治療においては,ともすれば個人の経験や慣習に左右されることがよくある.また,最新の教科書や学会の治療指針もしばしば時代遅れになってしまう.そのようなとき,EBMの実践法は,最新・最良の系統的研究や臨床疫学研究の成果を,いかに迅速かつ適切に選択してひとりひとり臨床家の専門技量に統合するかを教えてくれる.
日常の診療において,われわれには目の前の患者の治療に直接関わってくる疑問が多く出てくる.EBMの実践においては,このような具体的な臨床的疑問を,現在人類に可能なベストな方法で解決するために,以下の4つのステップを踏んでいくことになる.
すなわち,
1)臨床的疑問を回答可能な形式にする.
2)この疑問に答えることできるエビデンスを,多忙な臨床家にも可能であるように効率よく検索する.
3)エビデンスの内的妥当性,臨床重要性,外的妥当性を批判的に吟味する.
4)実際に臨床適応する,である.
今回は脊髄損傷の臨床においてこの4ステップを試行した.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.