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Q1 アレルギー疾患を診断するためのポイントを教えてください.
A 問診(現病歴,既往歴,アレルギー家族歴)によりアレルギー疾患を疑う.アレルゲン特異IgE抗体測定,皮膚テスト,食物除去・負荷試験などを施行して,原因となるアレルゲンを検索する.個々の症例において臨床的な診断が最も重要で,それに加えて各検査法の特徴を理解し,総合的に診断することが大切である.(古川 漸,他→本号p111)
Q2 喘息やアレルギー性鼻炎を疑った場合の血液検査の指針について教えてください.
A 患者にアトピー素因があるか,またはどの程度かの判断のために,一度は血清総IgEを測定すべきである.好酸球数も必要である.特異的IgEについてはどの抗原を選ぶかが問題である.日本ではアレルギー性喘息の約80%がダニに対して陽性であり,主要抗原であるダニ1(Der p)とダニ2(Der f)では交差反応性が非常に高い.またハウスダスト(HD)はダニ,ネコ,ゴキブリ,カビ,花粉,繊維など種々のアレルゲンの混合物であるが,HD1,HD2はアメリカの別々の会社で作製されたもので,HD6は日本の家屋から採取したものである.HD2の陽性率はやや低く,HD1とHD6とでは97%の相関がある.したがって,筆者は初診では,ダニ1かダニ2のどちらか一方,さらにHD6かHD1の一方を測定している.さらにネコ,ウサギ,ハムスターなどのペットがいれば追加する.また,喘息ではカビ,ゴキブリ,ユスリカを測定することも多い.鼻炎については季節性ならスギ(春),ブタクサ(秋)など,通年性ならダニを必ず測定する.多種の原因が考えられる時はセット検査やMAST26を利用する.陰性が予想される時やスクリーニングにはマルチアレルゲンが有用である.(田中良一,他→本号p115)
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