特集 昆虫などによる健康問題
One more JIM
pp.460-463
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101713
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Q1 医師「今は毛虫の発生する時期.これは毛虫皮膚炎の典型症状ですね」
患者「私は絶対に毛虫のいるようなところには行っていません」
そんな時,どう説明する?
A1 見るからに気分が悪くなる「毛虫」.ところが,このような昆虫にさえ造物主は「武器」を与えた.そう,毒針毛はこの昆虫にとっては身を守る「武器」しかも「飛び道具」なのである.「敵が来た」と判断するなり体表面にある保管庫よりいっせいに周囲に毒針が降り注ぐ.その数一匹につき数十万本.それが何十匹といっせいに行われる.合計数百万以上の毒針が人間界に降り注ぐことになる.いわば「小型の矢」がばら撒かれるわけだ.ツバキなどが近くにあればそこの毛虫からいっせいに播種される.ジョギング中のランナーに,散歩している人々に,さては軒先の洗濯物にも付着する.ミクロの大きさなので衣類のなかに深く入り込む.したがって,全く毛虫を肉眼で確認していないにもかかわらず,症状が出現する.(中村健一→p425)
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