特集 妊婦が外来に来たら
One more JIM
pp.250-253
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101378
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Q1 妊婦へのインフルエンザワクチンの接種はどうしたら良いのでしょうか?
A1 インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり,胎児への悪影響は通常考えられません.しかし,わが国のインフルエンザワクチンの添付文書では「妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので,妊婦または妊娠している可能性のある婦人には接種しないことを原則とし,予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」と記載されております.一方,米国疾病管理予防センター(CDC)では妊娠中のインフルエンザ感染に伴うリスクを考え,妊娠中にインフルエンザシーズンを迎える妊婦には,不活化インフルエンザワクチンの接種を奨励しています.
現在,日本国内でも病院によってその取り扱いに関してはさまざまですが,「妊娠12週以降の妊婦で,インフルエンザ感染の可能性がある場合には,ワクチンの有益性を考慮して接種する」というのが一般的なようです.妊娠12週以降としているのは,妊娠初期は自然流産が起こりやすい時期であり,ワクチン接種をめぐる無用の混乱を避けるためです.(木下二宣・他→p198)
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