Coffee break
BPHと「プラシーボ」効果
中村 薫
pp.60
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901431
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最近,「こころと治癒力:Healing and Mind」(ビル・モイヤーズ著,小野善邦訳,草思社)を読んだ。「今日の技術社会,とくに都会では,治療の効果を高めるような,医師と患者の関係を重視した医療行為を行う時間もなければ環境もない」という巻頭の言葉の厳しさ,「治癒は心くばりから始まる」という平易な指摘など,ふだんの診療を通じて漠然とは感じている患者との対話の大切さ,あるいは難しさ,そして言葉の持つ力について考えさせられる本である。
さてこのような本からは,癌の末期患者のQOLの問題などを思い起こしがちであるが,私が読みながら思い当たったことの一つは前立腺肥大症治療のプラシーボ効果である。
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