Coffee break
本当のムンテラ
原 勲
pp.44
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901425
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最近,医師の不祥事が続いているせいか,世間の医師に対する風当たりが強いような気がするのは私だけであろうか?たとえ一部の人間によって引き起こされたことであれ非難が全体に及ぶのは世の常である。世間が医師に対し技術や知識だけでなくある一定以上の倫理を求めるのは当然のことである。しかし残念ながら現行の法律では医師になるのに倫理観の試験はない。というよりも倫理観自体を客観的に判定できない現在いたしかたないのかも知れない。
話は変わるが最近インフォームドコンセントに対する関心がたかまっている。先日見たニュースによると患者の医師に対する不満度は過去最高に達しており,その一番の理由として医師が十分納得の行く説明をしてくれないということであった。インフォームドコンセントが重要であることは今更強調することでもない。ただ一つ感じる点は医療訴訟の絡みもあると思うのだが患者さんへの説明が医師の言い訳のようになってはいないかということである。これは特に臨床治験の際に強く感じる。治験の際には必ず患者さんの同意書が必要なのだがこれを読むと「私は自分の意思で治験に参加したのだから後で何かが起こっても文句は言いません」と書かせているような気がしてならない。
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