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皆様の病院では医師の働き方改革は進んでいるでしょうか.2024年度から診療に従事する勤務医は,時間外および休日労働時間の上限規制が適応されています.ご多分に洩れず小職の病院でも月初めに先月分の勤務時間が医局員ごとに示されます.A水準では年間の上限が960時間であることより,1か月換算で時間外勤務時間は80時間以内ということになります.これに引っかかるのは専修医や内外で当直する若手の医師になるわけですが,就業時間の軽減のために,17時スタートの院内の会議も16時スタートになったりしています.教室内のカンファレンスもこれまで朝7時半や7時45分スタートであったのが8時スタートなど移動を余儀なくされています.スタートが遅くなっても終了時間は変わらないので会議が濃縮されるのは良いのですが,時間切れで端折ってしまうのは問題です.
こんな折に,日赤名古屋第二病院で男子高校生が死亡する重大な医療過誤があったことが,報道されました.これは腹痛や嘔吐を繰り返した16歳の男子高校生を当初研修医が急性胃腸炎と誤って診断し,その後の対応した医師らが適切な治療を行わなかったことが原因とされています.近医より再紹介された際は上腸間膜動脈症候群疑いであったそうですが,脱水などにより心停止しお亡くなりになったそうです.これをとある報道では研修医の問題であるとしていますが,研修医に上腸間膜動脈症候群の診断は厳しいと思われます.消化器の専門医以上でないと診断は厳しいのではないでしょうか.上級医への報連相が必要であることは確かでした.この事故は昨年5月の出来事ですが,今年4月以降の事例であれば,どうなっていたかを考えました.働き方改革により各科当直を運用できない事情が効いてきます.各科の上級医に相談できない時にいかにするかのフローが必要になるわけです.
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