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編集後記
近藤 幸尋
pp.1072
発行日 2015年11月20日
Published Date 2015/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205498
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「天高く馬肥ゆる秋」や「食欲の秋」という言葉に代表されるように味覚の秋が到来しました。職場の結婚式のパーティーでおいしい食材のなかでも1人の医局員が別メニューで給仕がなされていました。聞いてみると,海老のアレルギーがあるのでメニューを別にしてもらっているとのことでした。その際の会話では,海老や蟹に対するアレルギーがあるといったときに「タラバガニは蟹ではなくヤドカリの仲間であるため大丈夫か」という議論になりました。
後に教室で調べてみるとタラバガニは節足動物であるヤドカリの仲間であるものの,タラバガニ科の甲殻類に属することが判明しました。それでは甲殻類アレルギーとはどんなものかを調べてみました。甲殻類アレルギーとは「海老や蟹,シャコなどの甲殻類を食べるとアナフィラキシーショックなどの症状を起こす」と記されています。その原因物質はトロポミオシンという筋源線維タンパク質といわれており,この物質は貝類やイカやタコなどの軟体動物にも含まれており,共通の抗原性があるようです。またダニやゴキブリなどの昆虫にも含まれているいために,ダニなどに対するアレルギーがある人のなかに甲殻類アレルギーを示す人がいるようです。
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