--------------------
編集後記
大家 基嗣
pp.900
発行日 2016年10月20日
Published Date 2016/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205807
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
「百寿社会を問う」をテーマに第25回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会を2016年7月7日(木)・8日(金)に,慶應義塾大学日吉キャンパスの協生館で開催いたしました.イブニングセミナーで明治大学・野生の科学研究所所長の中沢新一先生に「尿の神話学」というタイトルでご講演をいただきました.著名な宗教学者である先生が泌尿器科の研究会であるがゆえに考えてくださったオリジナルの講演でした.大好評で,知の迷宮に私たちは迷い込んでしまいました.
どうして中沢先生をお招きしたかといいますと,仲谷達也教授(大阪市立大学)が会長をお務めになった昨年の本研究会にさかのぼります.イブニングセミナーでの谷直樹先生(大阪くらしの今昔館)のご講演で,「誰もが大阪城は太閤さんが作ったと思っているが,実はそうではない.天守閣は昭和に入ってから再建され,城壁は江戸時代にできたもの.太閤さんの大阪城は天守閣が焼けて地下に埋められ,その上に現在の城壁が造られた」とのお話がありました.「豊臣秀吉が建てた大阪城は地下に埋もれている!」という話を聞いて私は,中沢新一先生の『アースダイバー』(講談社2005年刊)を思い出しました.土地がもつ力と神話性,例えば神社を建立させる「土地の呪縛的な力」を連想させました.早速アポをとって中沢先生に会いに行き,ご講演を快諾していただきました.内容は先生にお任せしました.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.